“意思のあるところに道は開ける”。まさにその言葉を2023年3月30日に体現されたのが74歳のAizawaさん。なんと50年前からの夢であった、チリ最高峰であり世界の活火山の最高峰でもあるオホス・デル・サラード（標高6893m）の頂上に見事立ったのでした。しかもマウンテンバイクをところどころ漕ぎながら。同じ遠征隊メンバーのTogamiさんは、自身の記録を更新する標高6018mのサン・フランシスコ峰に見事登頂されました。

本来この遠征登山は2020年3月に行う予定でしたが、パンデミックの影響により旅行開始の1日半前に急遽延期。ようやく今年2023年に再開！という時、ペルーでは前大統領が国会で弾劾されたことに端を発した支持者による道路封鎖や暴力的なデモ、サイクロン “ヤク” がもたらした自然災害による道路崩壊が続き、ペルーから向かう我々（ガイド、コック、私）がチリに行けないのではないかという状況に。それでも道路復旧の合間を縫ってなんとか無事にリマに到着、空路でチリに入国できたのでした。もう本当に、旅が始まる前に精神面が疲労困憊w。

マウンテンバイクと一緒の遠征登山は、起点となるチリ・コピアポの町発着で全13日間。広大なアタカマ砂漠を基本的にピックアップ車で移動しながら、ところどころに点在する無人避難小屋や持参のテントに泊まり、火山地帯の天然温泉で疲れを取り、極寒の塩湖につかり（私だけw）、自転車を漕ぎ、順応登山では夜空を埋め尽くす無数の星々の世界から太陽が空と大地をイロトリドリの世界に変えていく様子に目を奪われ、山の神アプや大地の母パチャママに感謝し、いよいよ迎えた11日目。オホス・デル・サラードの頂上を目指すことになります。その様子を動画にまとめましたのでどうぞご覧ください。

ペルーから参加したUIAGM国際山岳ガイドのウィルデルは参加者の夢を叶えるためにどうしたらいいかを常に考え、持ち前の強靭なガッツと忍耐強さで我々を導いてくれました。同じくペルーから参加したコックのラウルは、アンデスから砂漠という慣れない環境での仕事ながら、長年の経験を活かし、限られた水や食料を上手に使い美味しい料理を提供してくれました。この二人と一緒に仕事ができるのはペルー・ワラスにベロニカがいてくれるおかげです。チリ側のスタッフ、ニコとアンヘラは場を盛り上げ、参加者の体調を気遣い、無線で安全確認をし、ピックアップ車ドライバーとガイドアシスタントをこなしてくれました。

参加者の強い意志と頑張り、そしてスタッフのサポートがなくては成し遂げられない遠征登山でした。Aizawaさん、Togamiさん、本当におめでとうございます！