「パタゴニア」とは、南米大陸、南緯39度以南(アルゼンチン・コロラド川以南)のチリとアルゼンチンにまたがる地域の名称です。南北に走るアンデス山脈を境に自然環境が異なり、西側には数々の青き氷河とフィヨルド地形が、東側には草原や砂漠が広がり、「世界の果て:フィン・デル・ムンド/Fin del Mundo」と言われるほどの独特な自然景観や動植物が見るものの心を掴みます。
1日の中で全天候型と言われるくらい天気は著しく変わり、立っていられないくらいの強風が吹き荒れることでも有名です。巨大な氷河が数多く存在する南部は、凍結した陸塊として、南極・グリーンランドに次ぎ、世界3番目の大きさを誇っています。
あまりにも広大なため、長期間旅行を続けられる方は別ですが数日の旅行では全てを見て回ることはできません。本ページではフィッツロイ峰とセロ・トーレ峰を展望するトレッキングをご紹介します。
◎フィッツロイ峰:
アパレルメーカー「パタゴニア」のロゴマークはこの山。通説によると1782年に “煙を吐く山” という意味の現地名:チャルテン/Chalten(Chaltel)と名付けられましたが、その後、1877年にフィッツ・ロイと改名。岩峰の周辺から高頻度で湧き上がる雲がまるで煙のようだったので、19世紀までは本物の火山だと思われていたらしい! 町からのピストンコースやバス利用でのトラバースコースがあり、存在感のあるフィッツロイ峰の姿はもちろんのこと、美しい森歩きやそのまま飲める湧き水などを日帰りもしくは山中テント泊で楽しめます。春や紅葉シーズンもお勧め!
◎セロ・トーレ峰:
天を鋭く突き刺す岩峰、セロ・トーレ。多くの探検家が「まるでトーレ(塔)のようだ」とつぶやいたことが名前の由来。スッとした立ち姿が醸し出す雰囲気は、空想の世界にいるような、とても不思議な印象を受けます。セロ・トーレ足下にある湖まで、ゆるやかで気持ちのいい道を歩いて行きます。日帰りもしくはフィッツロイ方面へ足を伸ばし山中テント泊も可能です。